EC(電子商取引)市場が急拡大する中国で、主力プレイヤーが実店舗を展開しオフラインを強化するケースが増えている。シンガポール紙『ザ・ストレーツ・タイムズ』が消息筋の話として、18日付けで報じた。
上海市浦東新区に住むサラ・シュエさんは、新しくオープンしたスーパーマーケットをよく利用する。ショッピングモールの地下にあり、半年前にオープンしたばかりだ。このスーパーの魅力はモダンな売り場レイアウトもさることながら、何といってもスマートフォンで手軽に買い物ができる点にある。
一見すると、この辺りにある普通のスーパーと何ら変わりないが、支付宝(アリペイ)で支払いができることが最大の売りとなっている。このスーパーは「体験」店舗と謳っており、アリペイの利用者向けに開放している。こうした店舗は中国で急拡大する「O2O」(オンライン・ツー・オフライン)市場の新たな牽引役となっている。
O2Oマーケティングは、ウェブサイトを通じて潜在する顧客を実店舗に誘導するビジネス戦略だ。中国では、飲食店のデリバリーサービスやタクシーの配車サービスなどがあり、こうしたアプリが顧客とオフラインの実店舗を繋ぐパイプ役となっている。