中国で新たな外資政策が年内にも発表される見通しとなった。今年に入ってから製造業の外資導入が減少傾向にあることを受けたもので、商務部と国家発展改革委員会(発改委)が外資政策の見直しを進めているもようだ。沿海部から中西部への産業移転が柱となる。新華社系の経済紙「経済参考報」が関係筋の話として、26日付けで報じた。
独スポーツ用品メーカー、アディダスのヘルベルト・ハイナー最高経営責任者(CEO)は先ごろメディア取材に対し、生産拠点としてのアジアの優位性は徐々に低下していると指摘。「高まる需要増にロボットによる生産で対応すれば、欧米などの消費地に生産拠点が回帰するだろう」と述べた。
ここ数年、外資系メーカーが中国から生産拠点を撤退させる動きが相次いでいるが、これはその一例に過ぎない。中国でこれまで安価だった人件費や用地代が上昇したのに伴い、労働集約型産業を中心に東部の沿海地域からよりコストの安い海外へ生産拠点を移転させる動きが加速している。
一方、サービス業への海外からの投資は大幅に伸びており、製造業を上回るようになってきた。商務部の統計によると、今年上半期のサービス業への海外からの投資は前年同期比で8%増加した一方、製造業への投資は同2.8%減少した。海外からの投資全体に占める割合をみると、サービス業が70.4%と製造業を大きく引き離している。なお、この割合は2011年に初めて製造業を上回り、13年には50%を上回った。