ここ数年、世界はグローバル・ガバナンスの大変革期を迎えている。
中国とインドをはじめとする新興諸国の台頭やサイバースペース、気候変動といった地球規模の問題が顕在化するなか、主要20カ国・地域(G20)とBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に代表される新たなガバナンス体制が構築されるようになった。
世界金融危機への対応を話し合うため誕生したG20サミットは今、ポスト金融危機のガバナンス体制の変革という重要な時期を迎えている。
グローバル・ガバナンスは、安全保障分野と経済発展分野とに大きく分けられる。杭州サミットでは、こうした核心的な問題について、ガバナンス面から掘り下げて議論し、G20をポスト金融危機に対応するための体制から、国際的な経済協力などグローバル・ガバナンスに向けた取り組みを促進する主要フォーラムへと転換・高度化させる場とすることが求められる。
一方で、世界と共同歩調をとり、橋渡し的な役割を担うとともに、世界をリードすることが、G20体制の転換と高度化を実現するためのカギとなろう。