それにはまず1点目として、杭州サミットにおいて、G20に国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施に向け共同歩調をとらせることで、グローバル・ガバナンスにおけるG20の合法性と有効性を引き上げる必要がある。
G20参加国・地域の総人口は世界の3分の2を占めるほか、国土面積は世界の60%、GDPは世界の85%、貿易総額は世界の80%を占めるにもかかわらず、国際連合加盟国数のわずか10%でしかない。よって、G20のガバナンスが普遍的であり有効であるためには、G20以外の国連加盟国から認められ支持を受ける必要がある。
2016年は国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)の実施元年にあたる。杭州サミットでは、SDGsの実施に向けた行動計画を策定する必要があるが、このほか、サミットで提起される青写真や行動計画、ガイドライン、成長戦略、指導原則、協力提案についてもSDGsと合致させねばならない。
次に2点目として、今サミットでは中国とG20に先進国と途上国との間の橋渡し的な役割を担わせ、新興国と途上国にグローバル・ガバナンスにおける発言権と代表権を拡大させる必要がある。