グリーン金融が世界の金融発展の新たな流れとなっている。G20杭州サミットを前に、中国は議長国としてグリーン金融を初めて重要議題の1つに組み込む。
蘇寧金融研究院マクロ経済研究センターの黄志龍主任は「証券日報」の取材に対して、「これは国際金融市場での中国の発言力強化、G20による世界経済の長期的成長に向けた活力喚起につながる」と指摘した。
中国人民銀行(中央銀行)の陳雨露副総裁は、「人民銀は国家発展改革委員会(発改委)などの関連部門とともに、『第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)』現代金融体系計画を策定しているところで、グリーン金融の発展促進もその重要事項の1つだ」と述べた。
浙江碳銀互聯網科技有限公司の兪兆洪CEOは「証券日報」の取材に対して、「グリーン金融は環境に優しいだけでなく、雇用の充実、公平な発展機会の創出など、社会発展にも役立つことを強調すべきだ」と指摘する。「グリーン金融は現状を踏まえ、創造・革新を支持し、専門的なサービス業や、中小型企業を支援するはずだ」としている。「グリーン金融の体系構築の鍵は、上記の目標実現にプラスとなるリスク管理システムとリスク評価体系の早期構築にある。大手実体企業の金融化(金融の領域の肥大化)と金融機関の実体化は断固として回避すべきだ」と述べた。
黄志龍主任は「中国は世界のグリーン金融のリーダーとなっているが、一定の試練にも直面している」と指摘する。具体的には、【1】グリーン金融にはグリーン融資、グリーン債券など、現段階で評価が難しいものも含まれる。【2】グリーン金融のプロジェクトには、償還期限のミスマッチという問題が発生する可能性がある。一般的に、グリーン開発プロジェクトには長期資金が必要となるが、市場では相対的に長期資金が不足しがちで、償還期限のミスマッチが起こりやすい。【3】政策支援は柔軟な対応が待たれる。――などが課題となる。