間もなく開催されるG20杭州サミットは、今年開かれる国際会議のなかで最も重要なもので、日本でも各界で極めて重視されている。サミットを前に、日本の著名エコノミストであるキヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹を独占取材した。
瀬口氏は1982年に日本銀行に入行。米国・中国駐在などを経験した日本経済界きっての「中国通」だ。G20杭州サミットについては、「世界の経済情勢が好調とは言えないなか、中国を中心としたアジア経済は重要な役割を果たす。この時期に杭州でG20が開かれ、アジアが果たすべき役割を世界にアピールすることは、大きな意義がある」としている。
G20杭州サミットでは、構造改革と保護貿易反対が重要議題になると指摘。「構造改革は5月のG7でも、今回のG20サミットでも重要議題に組み込まれ、全世界が必要性に同意している。貿易問題については、中国がより高度な地域包括的経済連携や中日韓FTA交渉を推進できるなら、おおいに歓迎されると思う。多国間の枠組みで世界貿易の自由化を推進するなら、日本も大歓迎だ」との見解を示した。