中国国家発展改革委員会(発改委)は1日に発表した「太陽熱発電の基準送電価格政策に関する通知」で、太陽熱発電の基準送電価格を1キロワット時あたり1.15元と決定し、この価格を国家能源局の2016年のモデルプロジェクトに適用すると明らかにした。また、地方政府による太陽熱発電企業を対象とした税金費用の減免、財政補助、グリーン融資、土地優遇などの措置を奨励する。昨年9月に国家能源局が発表した「太陽熱発電モデルプロジェクト開発に関する通知」以来、1年ぶりとなる通知だ。
太陽熱発電(CSP)は太陽光発電(PV)以外で太陽エネルギーを利用する重要な技術分野だ。同規模の設備容量なら、発電効率も電源の安定性も太陽光発電を大きく上回る。中国は「七五」(第7次5カ年計画、1986-1990年)期以来、太陽熱発電の技術研究を進め、特許や論文の数は世界でも上位にあった。しかし、太陽熱発電産業は政策環境やコストなどの問題が足かせとなり、太陽光発電の急成長に大きく遅れをとっていた。
中国は「十二五」(第12次5カ年計画、2011-2015年)期に、1ギガワットの太陽熱発電モデルプロジェクトを計画した。しかし2010年に北京市延慶区でのアジア初のタワー型太陽熱発電所建設に着工して以来、2015年末時点で中国の太陽熱発電の設備容量は18メガワットにすぎない。4メガワットの風力発電設備4基に相当するだけで、大型分散式太陽光発電設備1基にも届かない規模だ。CSPPLAZA研究センターのまとめでは、2015年に建設された太陽熱発電所の設備容量は世界全体で約4940.1メガワットと、前年より9.3%増加した。うち、スペインは約2400メガワット、米国は1900メガワットで、両者を合わせると世界全体の90%を占める。