今サミットの合意に各国から称賛が寄せられたほか、中国の議長国としての役割にも感謝の声があがった。出席者の中には、中国の発展の成果や経済成長が世界経済に及ぼす影響を高く評価し、中国との協力強化意向を明確に示す指導者の姿もみられた。
今サミットにより、G20体制は高度化し、中国のG20における重要性が増すこととなった。サミット開催前から中国は「積極的な協力者」という位置付けであったが、徐々にグローバル経済ガバナンスに理解を寄せ、如何に貢献すべきかを考えようになってきた。
今サミットでは、中国が掲げる原則と理念を浸透させるという成果をあげたが、これにより中国が「規則を制定するリーダー」に成長する可能性が考えられる。 まず、人類は運命共同体であるという理念をもって各国に協力を呼びかけ、次に、中国が世界の均衡ある包摂的な発展を堅持するというものだ。
中国は発展途上国の利益に関心を持っており、そこに暮らす人々に確実なメリットをもたらそうとしているが、果たして今サミットはG20史上、途上国の参加数が最も多いサミットとなった。中国はまた、G20が排他的な小集団になることは望んでおらず、全人類が共に発展していくことに関心を持っているとも表明している。
(中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長 寄稿)