中国には成熟したバイク産業があるが、ベトナムやインドネシアなどの東南アジア諸国における中国ブランドの市場シェアは、不健全な競争による影響で日増しに低下している。前世紀にベトナム市場入りした中国ブランドのバイクは「全面敗退中」で、10年前にベトナムなどの市場への進出に成功した企業は、電動バイクの販売から農耕機の生産に転じることを余儀なくされている。バイクの敗退は、東南アジア諸国に進出する中国製品・中国企業に警鐘を鳴らした。目先の利益だけを目的とすれば、日韓などの企業に敗北しやすくなる。
バイクはベトナム人のステータス、中国ブランドはすでに不評
ベトナムは「バイクの国」と呼ばれる。ベトナム経済は近年急速に発展しているが、自動車取得税が高く設定されており、公共交通インフラの整備が遅れているため、一般人は外出時にバイクを最も頻繁に利用する。ベトナムでバイクは社会的な地位やステータスの象徴だ。多くの人は、日本ブランドのバイクは割高だが、体裁が良いと考えている。ベトナムの街頭では1台1万ドル以上もするバイクが多く走っており、入門クラスのコンパクトカーとほぼ同じ価格だ。豊かな家庭に生まれた若者は、イタリアや米国で製造された高級バイクを購入したがる。
記者はこのほど、ハノイの大型バイク店を取材した。店内を一回りしたところ、中国ブランドのバイクが見つからなかった。店員によると、中国大陸製のバイクは質が悪く、2-3年で壊れることが多いという。店では何年も前から中国ブランドのバイクを販売していないそうだ。今は日本のホンダやヤマハのバイクが最もよく売れており、韓国の大林、中国台湾の三陽の売れ行きも好調だ。店員はさらに、品質問題の他に中国とベトナムの南中国海における主権をめぐる係争により、多くのベトナム人消費者が中国ブランドに反感を抱いていると話した。
中国製バイクの状況は、ハノイよりもベトナム南部のホーチミンの方が良好と言える。ただし中国製バイクのベトナムにおける市場シェアは、合計しても5%未満まで低下している。今年の年初、ベトナム中国商会に登録されている、ベトナムで生産・貿易に従事する中国企業638社のうち、バイクの貿易と製造に従事しているのは力帆と宗申の2社のみ。
わずか10年でシェアが急低下
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月27日