石炭価格の上昇には複数の要因がある。国家発展改革委員会(発改委)価格司の張満英・巡視員は、◇石炭生産量の減少、◇需要の回復、◇前期の鉄道輸送力不足、◇市場予測の変化、など――4つの要因を指摘した。このほか、市場主体がこれを機に投機的行為や買いだめをしている可能性も排除できないとしている。
「石炭供給のファンダメンタルズは安定しており、石炭価格を不合理に押し上げるものではない」。発改委の許昆林・秘書長は、「中国には充分な生産能力の準備があり、輸送力も確保されている。港湾の石炭在庫も大幅に回復している」と語る。
中国国際経済交流センター情報部の王軍・副部長は、PPIの回復の要因として、国内需要の改善と国際商品価格の回復を挙げた。ただし、国内需要の回復はそれほど力強いものではなく、国際商品価格の回復も長くは続かないとし、PPIは引き続き変動するとの見通しを示した。
アナリストは、現在の物価上昇は全体として緩やかなもので、今後は引き続き安定傾向を維持するとみている。