共同革新で「死の谷」を打破
基礎能力の欠如や発展不足は、工業化全体の進度に影響している。基礎能力の強化は根本的にはやはり革新にかかっている。
「基礎とは言うものの、企業が解決しなければならない共通の問題はやはり、最先端の能力と最もカギとなる技術にかかわるものとなる」と李北光氏は指摘する。この部分の革新の空白は多くが、大学と企業の技術開発の間に存在するが、投入が大きく、周期が長く、リスクが高いため、欧米では「死の谷」と呼ばれている。
米国とドイツはこれに対し、公益目的で非営利の研究機構を特別に設置し、汎用的な技術の支えを企業に提供している。だが中国ではこの部分の革新は空白であり、多くの企業はその発展において、「包子(パオズ)を売るのに小麦から植えなければならない」という状況に直面している。
苗部長は、実験室の産品から企業が生産する産品までの間の巨大な産業化過程を解決するため、「メイド・イン・チャイナ2025」は、重大プロジェクトの優先5プロジェクトを打ち出し、革新センターの建設を実施することで、産業の汎用技術の欠如という問題の解決をはかった。
一部の地方ではすでに先行・試行が始まっている。例えば長沙市政府と中国電子信息産業集団有限公司は、インテリジェント製造研究総院を共同建設した。業務ソリューションの提供や工業クラウドプラットフォームの建設運営などを通じて、工業のモデル転換・アップグレードサービスを政府や企業に提供する。
「携帯で3枚写真を撮ってアップロードすれば、2時間後には、カスタムメイドのシャツが自宅に届けられる」。長沙市経済・情報化委員会主任の鄧自力氏によると、こうした産業モデルにおいては、生地のサプライヤーや縫製工場、実体店がプラットフォームを通じて、3Dモデリングや知能試着などの技術を共有していると語る。中小企業は、単独で戦う必要はなく、重複建設を避けることができ、インテリジェント製造による急速な発展の流れに乗ることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月27日