第一に、毎年の新卒募集の規模と分野から試算して、中国は毎年200~300万人のエンジニア人材を育成することができ、10年経てば2000~2000万人になる。「この数はグローバル経済構造や国際貿易構造に対し、大きな影響を与えることになる」。宋氏によると、中国のコンピュータ通信産業が全製造業輸出に占める割合は、すでに20年前の15%から40%に上がっているという。これは中国経済のモデルチェンジが徐々に進んでいることを意味すると同氏は指摘する。
第二に、中国のサービス産業にまだまだ大きな成長余地がある。あるデータによると、中国のサービス産業の規模は世界100カ国以上の中で最も小さい。特に不動産や小売業、卸業といった大きなポテンシャルを持つ分野で、改革が進み参入障壁が下がれば、中国のサービス業は成長率を3~5ポイント高めることができ、生産水準を10%増加させることができるという。
第三に、技術的イノベーションによる効率が向上するにしたがい、中国経済にはまだ大きな成長余地がある。宋氏によると、中国のR&D(企業の研究開発)への投資は世界的にみて低くなく、持続的に増加しており、高所得国家に近づいている。ただ、R&Dの生産効率はまだ低いレベルにとどまっている。