色眼鏡で見られている中国資本
欧米諸国の新聞を開くと、そこには中国の投資活動に関する記事が見られるだろう。そしてまず記事にある誇大妄想に笑い、次に中国企業のイメージがそこまで歪められているのに驚くことだろう。
英紙「タイムズ」のトップ記事は、中国が輸出する監視カメラが空港など公共の場でイギリス国民を監視していると書く。「オーストリアンフィナンシャルレビュー」の記事は、ショッピングの合間に中国人観光客が中国政府のために情報収集していると報じている。
これに対し、在ドイツ中国大使の史明徳氏は、「中国にドイツ企業は8200社ある。ドイツに中国企業は2000社しかない。中国がドイツに投資する金額はドイツが中国に投資する金額の10%だ。それは外国企業がドイツに投資している金額の0.2%に過ぎない。これでドイツ全てを買収できるというのだろうか」と述べる。
EUシンクタンク、アジア問題研究所の研究者であるハンネス・デクセイ氏は、EU諸国が中国資本に対する憂慮は、第1に一般的な思考が奇妙であることから、第2に、最近は貿易保護主義や民族主義が広がっていることから生じているとした上で、「中国がヨーロッパの全てを奪おうとしている」といった報道が、一部の民衆の偏見を助長させているとの見方を示す。
以下の数字は、中国資本の海外進出の軌跡を示している。