中国南東部の3級都市、寧徳市の近郊にある砂ぼこりにまみれた村は、未来の自動車技術で世界トップクラスの企業の本社所在地とは思えない。しかし中国の政府から民間に至る産業政策(グローバルバリューチェーンの分業における中国の産業アップグレード戦略、都市部の大気汚染改善、電気自動車への転向など)により、寧徳時代新能源科技有限公司(以下、同社)が、故郷の英雄から全国チャンピオンになり、さらに発展を続けることが運命づけられた。ロイター通信が26日に伝えた。
中国は日本のパナソニック、韓国のLG化学に対して、リチウム電池の生産能力をこの1年間で3倍に拡大し、中国の電気自動車(EV)の急激な販売増に追いつくよう求めた。
同社の黄世霖総裁は先週、今年10月の二度目の資金調達により、同社の時価総額が4倍の899億元に膨れ上がったと表明した。2020年までに北京での上場を目指し、さらに300億元以上を調達することで世界をリードする力をつける。
同社の車載用リチウム電池の生産量はLG化学を追い越しており、パナソニックやウォーレン・バフェット氏が出資する比亜迪を猛追している。