都市を可視化した『中国都市総合発展指標』
周教授が2011年に発表した中国都市化に関する研究の結論によると、中国の都市化はメガロポリスによって形作られる。珠江デルタ、長江デルタ、京津冀という三つの都市群が、今後の中国の経済発展と都市化を支えると予測した。
「当時、これを理解する人は少なかった。しかし15年後の今日、この予測はまさしく現実となった。三つのメガロポリスが最大の人口流入地域となり、中国の経済成長を牽引している。15年前にこれほど正確に予想できたのは、10年間かけて中国の都市化の現状を調査し、世界の趨勢、そして都市化のメカニズムを研究し続けてきた所以だ」と周教授は述べる。
『中国都市総合発展指標』はまさしく最新の理念に基づき、世界の近代都市における様々な経験と教訓を吸収し、経済、環境、社会を軸とするシンプルな3×3×3構造で作り上げた総合都市評価システムである。同指標は中国の直轄市をはじめ地級レベル以上の295都市をすべて網羅している。
中国現代化の主旋律となった都市化は、中国経済成長のエンジンだけでなく、経済社会構造の変革をもたらす原動力でもある。そのために『中国都市総合発展指標』は、今までのGDPに偏重した都市評価を改め、環境、社会、経済を網羅した総合評価とすることを最大の特徴としていると周教授は力説する。
統計データ、ビックデータ、そしてリモートセンシングデータを駆使して作り上げた133の指標から構成される同『指標』は、中国の都市を複眼的に分析できるようにしただけでなく、中国の都市化にかかわる様々なイシューの全国的な分析も可能にした。即ち、従来なかなか見えてこなかった中国都市の姿を可視化させた。これによって中国の都市研究は一気に高い次元へと押し上げられた。
中国の都市力の向上を支援する『中国都市総合発展指標』