中国の都市力の向上を支援する『中国都市総合発展指標』
周教授は現在開発中の『アジア都市総合発展指標』を用いて、中国の三大都市である北京、上海、深圳を、東京と比較した。GDP規模でも一人当たりGDPでも、東京は依然として他の三都市を大きく引き離している。人口で言えば上海と北京の常住人口はすでに東京を遥かに超えた。しかし大学生数で見る限り四つの都市の中で東京がダントツトップである。東京の大学力は都市の強さを支える大きな源泉の一つだと周教授は分析する。
入国観光客数と貨物輸出量では、面白い現象が見られた。東京の貨物輸出量は上海と深圳より遥かに少ない。しかし東京を訪れる外国人観光客数は四つの都市の中で最も多い上、とてつもない勢いで増えている。日本の「製造業立国」から「観光立国」へのシフトは顕著であると周教授は説明する。
東京の金融都市としての実力は他都市を圧倒している。一方、北京の科学技術研究人員数は四都市の中でトップである。
PM2.5では、北京が四つの都市の中で最も数値が悪く、東京が最も良い。鉄道の密度で見ると東京は四都市の中で一番高い。「鉄道都市」は東京に便利性、効率性をもたらしただけでなく、環境面においても大きく貢献したと周教授は述べている。
都市力とは、都市の持つ魅力、活力、開放度、柔軟性などの総合であると周教授は言う。『中国都市総合発展指標』の開発を主導してきた周教授は、同『指標』を用いて中国都市の現状把握能力を高め、他の都市の経験を学習する能力、そして都市戦略や計画の策定能力を高めることで、中国の都市力を向上させることに期待している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月31日