この1990年代生まれの若者は、普通のインテリ家庭に生まれた。青海省の西寧生まれの一人っ子で、成人までの18年をこの地で過ごした。ドイツ留学の間、故郷の雄大で美しい高原が頭から離れなかった。
曹左男さんが学ぶ生態学は、ドイツの科学者、エルンスト・ヘッケルが19世紀に提出した概念である。中国農業大学で学んでいた曹さんは、本場のドイツで学ぶことを決心した。学業を修めて国に戻ることは当然のことだと彼は思っている。
「人は感謝の心を持つべきだ。大学に入ったばかりの頃、将来何になろうかと考えた。そのとき両親や祖父、私の故郷の大地に恩返しがしたいと思った」。
1980年代生まれの張偉さんが帰国しようと考えたのは、「海亀」の先輩の影響があったからだ。中国で博士課程を学んでいたとき、指導教授は「海亀」だった。教授の薫陶と激励があったため、海外留学の前から海外で何をすべきか、帰国後はどうキャリアを積むべきかについて、明確な指針があった。
「幼いころから中国国内の文化環境で育ってきた。アメリカの生活は安定しているが、やはり油条や豆乳の味など中国の生活が恋しい。祖国に戻ってこそ、本当の帰属感がある」。
シリコンバレーを離れ、ファーウェイに加わったことについて丁険峰さんは気さくに語った。もしインテルのセンサーシステムのアーキテクチャ設計の仕事を辞めず、ファーウェイのセンサー研究所の主任サイエンティストに就任しなければ、世界のセンサー業界でトップになれないと思ったのだと語る。