▽シェアリングエコノミーのメリット・デメリット 既存産業の秩序には打撃 監督管理法規がまだ不明瞭
新しい経済スタイルは必ずといっていいほど新しい問題を引き起こす。シェアリングエコノミーは資本の後押しを受けて高らかに快進撃を続け、昨年だけで同産業に集まった資金は1700億元を超えたが、それにつれて問題も表面化してきた。
消費者網の苦情報告プラットフォームがまとめた最新の統計によると、16年にはネットの自動車予約産業が苦情の集中する新たなホットポイントになった。苦情が最も多かったのは、費用の支払いに関する問題で、価格設定メカニズムが不透明、ピーク時期にはみだりに値上げが行われるなどのトラブルが頻出したという。
最先端のシェア自転車も同じように問題が絶えない。各大手プラットフォームでは保証金が返金されて口座に振り込まれるまでが遅いとか、資金の不足によって監督管理に問題が生じているとかいったトラブルが次々に発生した。
シェア自転車はメーカーにとっては朗報だが、小売店には打撃だ。広州市の自転車チェーンの責任者は、「シェア自転車の影響で、自分の経営する店が2カ所閉店に追い込まれた。私のみたところ、広州の大部分の自転車小売店は売り上げが軒並み減少している。特にロークラスの自転車の販売が大きく減少した」と話す。
無秩序な駐停車やレンタル自転車を痛めるといったマナー違反行為もしばしば見受けられる。
専門家は、「シェア自転車の利用の仕方が不適切だとすれば、それはユーザーと企業に等しく責任があるが、中国の都市計画建設の不備もまた一つの重要な原因だ」と指摘する。。華南都市研究会の孫不熟副会長も、「中国のほとんどの都市計画には系統性をめぐる問題が存在し、都市計画全体の理念では自動車両の利用ニーズが中心に置かれ、自転車のことは考慮されていない。特に一線都市の中心業務地区(CBD)では、自転車専用道路はほぼ皆無といえる状況だ」と指摘する。