世界経済が減速する中、高級車市場がシュリンクすると予言する人がいる。しかし世界的に見ても国内的に見ても、2016年が去ったばかりの現在、高級車ブランドのトップであるベンツ、BMW、アウディのドイツ系3社は切磋琢磨しながら争っており、膠着状態の競争の中で、彼らは依然として販売数を増やし成長を続けている。
「中国経済週刊」の記者は、高級車市場が変化を続ける中、世界市場では大きな変化が起きていることに気づいた。いま最も勢いがあるベンツが、トップだったBMWを11年ぶりにその座から引きずり下ろした。BMWは世界第2位に屈した。アウディが最も勢いが弱く、3位に留まっている。
今年1~2月になってベンツはその勢いを増し、世界販売総数は33万2329台、前年同期比16.8%増、48カ月連続の増加となった。一方BMWは同期、世界販売総数は29万1347台、前年同期比5.0%増だった。アウディは連続の減少で、単月での販売数トップを逃しただけでなく、1月の販売台数は5年前の水準にまで落ち込んでいる。にもかかわらず、アウディは別のパートナーを探す計画があることから中国の販売会社と大きな問題を起こしており、さらに販売数を減す要因を作っている。
ある業界筋は、もし今年もこの勢いが続くなら、中国市場の高級車市場も世界市場同様に大きな変化が起こりうると予測する。ベンツはアウディを抜いてトップになり、中国市場におけるアウディの絶対優位性は徐々に消え、BMWはマイペースを維持して2位になるというのだ。
“三国志”のような激しい争い
ベンツ、BMW、アウディという3つのドイツ系高級車ブランドは、中国市場において、これまで互角の争いをしてきた。ベンツが現在のような勢いを続ければ、高級車市場は最も激しく覇権を争うだろう。
このような激しい局面は、昨年の3社の広告戦からもうかがわれる。新型ベンツEクラスが発売されたとき、「三国志」の関羽が赤い馬で出征するポスターを作った。キャッチコピーは「5つの関を超え、6人の大将を斬る」だった。これは市場競争でアウディA6LとBMWの5シリーズを撃破することを暗示している。