6月2日、中国工商銀行の株価は取引時間中に、2015年8月以来の高値となる5.4元まで上昇する場面があった。同様の現象は中国農業銀行、中国建設銀行でも見られ、両銘柄ともに前週末は22カ月ぶり高値を更新した。
「国有大手銀行株の直近のパフォーマンスは上証50指数の値動きと連動しており、流通市場での投資スタイルが変化していることを示す」。ベテランの市場関係者は「監督管理が強化されるなか、再編関連や創業板関連銘柄を物色するリスクが高まっているため、主要機関投資家が大型優良銘柄に目を向け始めている。大型優良銘柄は流動性がそれほど高くないものの、安全性に優れ、配当利回りの高さは中長期の資金を配分するのに非常に魅力的だ」と指摘する。
市場関係者はまた「指数構成銘柄の調整が近く発効するため、金融株と不動産株の指数への影響が一段とはっきりする見込み」だと予想する。
上海証券取引所と中証指数有限公司は先ごろ、上証50、上証180、上証380などの指数の構成銘柄の調整を発表した。滬深300、中証100、中証500、中証香港100などの指数構成銘柄も同時に調整され、6月12日に正式に発効する。今回の調整で、上証50指数は5銘柄が入れ替わり、上海銀行、江蘇銀行などの銘柄が指数に組み入れられる。
国有大手銀行株の流通市場でのパフォーマンスが良いため、信用取引では株式制銀行の人気が高い。