これらのデータの他に、中国は越境EC(電子商取引)でも急先鋒になっている。アリババが世界市場向けに構築したオンライン取引サイト「全球速売通」などを通じ、中国はすでに巨大な「出荷倉庫」になり、自国のオンライン取引サイト生態系を構築している。米国ネット通販最大手のアマゾンの中国での存在感は極端に低下している。アリババの「天猫(Tmall)」は、異論の余地なきB2Cのリーダーだ。国内のネット通販利用客を見据える天猫は現在、6割以上の市場シェアを占め、3億人以上のアクティブユーザーと10万以上のブランドを持つ。このサイトは出店者の質を特に重視しており、そのため売り手は出店が認められる前に一連の付加的サービスを提供しなければならない。天猫は2年前、海外製品を専門的に取り扱うサイト「天猫全球購」を開設した。
中国市場はこれまで、進出が困難な市場だった。海外製品は中国文化の需要に適応できなかった。しかしECの興隆により、状況には変化が生じ始めた。天猫全球購のビジネスモデルを理解するためには、中国市場の特徴を理解しなければならない。天猫全球購は製品の原産地を特に重視しており、そのためすべての商品が原産地から出荷されている。また食品安全も中国人から注目されている。中国の消費者は購入した商品をすぐに手にし、物流の進捗状況をリアルタイムで追跡し、返品サービスを受けようとするなど、売り手側に厳しい一面がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月26日