生鮮Eコマースが成功と失敗の両極端に走ってしまうのはなぜか。中国Eコマース研究センターの曹磊主任によると、食品ロスが大きく、物流と供給チェーンに対する要求が高く、運営と倉庫配送のコストが高いことが主要因だという。融資を得ることができない企業は自然に淘汰されることになる。食品ロスを例に採ると、先進国の生鮮Eコマースにおいて食品ロスは通常5%である。しかし中国では、生鮮食品の種類が多く、同質性が強く、保存期間が短い上に標準化されていないため、ロスは20~30%に上る。
高止まりする物流、包装、配送などのコストも、生鮮Eコマースの利益を圧迫している。従来の生鮮ディーラーと比べ、生鮮Eコマース企業の物流コストは高い。従来型の生鮮ディーラーは、大量の食品をより少ない回数で卸すことで、比較的ローコストで食品の鮮度を保証してきた。
しかし生鮮食品の運送用の包装は一般的に小さく、生鮮Eコマース企業は同等の品質を保つためにより多くの対価を支払わなければならない。発送量が少なければコストが上がる。生鮮Eコマースの包装はより厚みがなければならないことも、包装コストを高くする原因となっている。もし包装を簡素化したいならば、配送環境により多くの工夫が必要になる。
中国には多くの低温物流企業があるが、基準を満たした企業は少ない。しかもその多くが地域に根差した企業であり、全国を網羅して配送できる生鮮物流企業は存在しない。そのため、多くの生鮮Eコマースは自分で物流網を作ろうとする。しかし資源的整合性に欠け、商品包装の体積も大きく、受注量が少ないなどの原因から、物流コストが上がり、商品価格が高くなった結果、一般消費者に受け入れられ難いものとなる。
データによると、現在中国にある4000社以上の生鮮Eコマース企業のうち7%が巨額の赤字になっており、88%が少額の赤字で、4%がトントン。利益を上げているのはわずか1%に過ぎない。創業わずか2年あまりの「毎日優鮮」は、その1%に入った企業である。徐正氏は、「低温物流コストは常に生鮮Eコマースの弱点だった。全体のコストを下げようとすれば、この点を打破しなければならない」と述べる。「毎日優鮮」は地域の3キロおきに大量の冷蔵倉庫を作る予定だ。これにより、低温物流コストは業界平均水準の3分の1に下げることができる。ユーザーが決済して2時間以内に、全国各地の高品質な生鮮食品が食べられることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月15日