▽「独特」な理由その2:ECが活発だから
同じように商品価格に関わるもう一人の「責任者」にはECがいる。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事によると、アマゾンなど、割引で人を引き寄せるEC企業の誕生により、日本の小売業者も値下げをせざるを得なくなり、この国で長らく続いてきた安定的インフレを追求できる整った環境がついに破壊されることになった。これは日本がインフレ目標を再三先送りしている原因の一つであり、日銀の金融政策は「アマゾン効果」という新たな難問に直面しているのだという。
日本の小売業者は、「ECは競争をより熾烈なものにし、ネット通販業者が価格を低く抑えるという消費の流れが、日本の20年にわたる物価下落現象を食い止ることを困難にし、インフレ率を正常な軌道に戻すことを難しくし、『デフレの終了は巨大な幻想』になっている」と嘆く。日本の小売販売額におけるECの割合は6%に満たないが、価格設定に対するEC企業の影響力はこの数字を大きく上回る。小売販売額がほとんど変わらないため、EC企業の売上高の年成長率は8~10%に達する。
分析によると、こうした状況があるため、日本経済は復興してはいるが、物価上昇が復興ペースに追いつかないのだという。
理由が成立するかどうかに関係なく、日本のインフレ率が期待通りに上がらないのは確かな事実だ。だが日本のインフレにとって、これは完全に悪いニュースでもない。たとえば同会合の概要で、日銀はCPI目標の達成時期は先送りするが、追加的な緩和策は不要としている。世界経済の回復を背景に、輸出増加が設備投資と消費の回復をもたらす可能性があるからという。さらに最近の日本の為替相場の安定が企業に利益をもたらすと同時に、人手不足を進行させており、企業が賃金を上げて物価が上昇する可能性があるからという。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月2日