その勢いの差は、現在のランキングで明らかに示されている。日本のランキングを見ると、上位3位の企業は今もかつてもトヨタ、NTT、ドコモで占められている。しかし1位のトヨタですら、世界の市場価格ランキングからみれば40位前後でしかない。
市場価値が世界最大の企業はアップルだ。同社の市場価値はトヨタの4倍以上。日本の上位10位までの企業の総和に相当する。
アメリカのランキングを20世紀末と比べると、上位5社は全て入れ替わっている。資源や製造業など重厚長大型企業が、IT企業に入れ替わっているのだ。フェイスブックは2004年に創業された。その後わずか8年で上場し、市場価格も膨らみ続けている。これはアメリカの4大ネット企業である“FANG”(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)の勢いを示すものでもある。
アップルのスマートフォンやアマゾンのEコマースといったイノベーティブな製品とサービスがもたらす独占的利益以外、豊富な手持ち資金を武器に展開するM&Aも世界トップ企業が得意とするところである。