仏紙「Les Echos」が9月14日、建設中にある「雄安新区」のレポート記事を掲載している。内容は以下の通り。
時間が止まっているかのようだ。明代からの500年、橋西村の歳月は、白洋淀(北京の南西約150キロにある沼)の中で静かに流れてきた。この村に行くためには、沼や麦畑、トウモロコシ畑の間にある小道を通る必要がある。北京の人々はここを好み、週末になると蓮の花や沼の魚を見に訪れる。
今年4月1日に突如報道されたトップニュースが、この地を驚愕させることになった。上海や深圳のような新都市をここに建設することを、中国政府が決定したからである。雄安新区は面積が2000平方キロメートル。パリの20倍、ニューヨークの3倍の広さである。
雄安新区の計画には多くの目標が掲げられている。まず2300万人の人口を抱える首都北京の緩和。北京は大気汚染や高止まりする不動産、交通渋滞、資源の枯渇などの問題がある。長年に渡って中国都市研究をしてきた都市学者でニューヨーク大学教授であるアラン・ベルト氏は、「北京の郊外はすでに第六環状線まで拡張している。都市中心から環状型に広げていくモデルはもはや限界だ」と指摘する。