中国国際金融公司(中金公司)は報告書の中で、7~9月期の実質GDP成長率は6.8%と若干低下する一方、名目成長率は引き続き高い伸びを維持すると予測。7、8月の統計で鉱工業生産(付加価値ベース)や不動産販売が冴えない結果になったことからみて、7~9月期の実質GDP成長率の足かせになる可能性があるが、それ以降はCPI、PPIとも反転し、名目成長率が加速するとの見通しを示した。
中国民生銀行のチーフリサーチャー温彬氏、浙商証券とも報告書の中で、7~9月期のGDP成長率を6.8%と予測した上で、経済運営は合理的な範囲内に維持できるとの見方を示した。
2017年通年の経済成長見通しについては、各社とも楽観的な見方を示した。中国銀行国際金融研究所は報告書の中で、中国経済は安定的な運営基盤を維持していると指摘。世界経済は総じて緩やかな回復基調が続いており、国内でも「三去一降一補」(過剰生産能力の解消、在庫の解消、レバレッジの解消、コストの削減、脆弱分野の補強)の本格的な推進や、生産能力の削減による需給ギャップの改善、工業製品価格の回復といった複数の要因が、従来型産業の調整によってもたらされる下押し圧力を解消し、経済運営の質と安定性を押し上げるとの見方を示した。