米CNNは14日、中国政府が先週発表した統計で2017年の中国の対米輸出額が15%の大幅増となり、中国の対米貿易黒字が過去最高を記録したと伝えた。「この結果は、トランプ大統領を慌てさせるだろう。彼はずっと米国の貿易バランスが、他国との経済関係を維持するカギと考えてきた」。シンガポール華僑銀行(OCBC)エコノミストの謝国忠氏は、「中国貿易黒字の記録更新は、中米の貿易紛争を増やすことになる」との見方を示した。中国政府のデータによると、中国の輸出総額の増加率11%のうち対米輸出は大部分を占めた。
CNNは、トランプ大統領が選挙期間中に対中貿易の強硬措置を講じると約束していたが、昨年は妥協したと指摘。また、中国が為替操作国ではないとの見解を示し、中国製品に対する巨額関税の課税の公約も実行しなかったと伝えている。一方で専門家は、中米貿易関係が今年悪化するとの懸念を示す。その原因の一つとして、今年は中国経済の成長が減速し、中国企業と消費者が厳しい局面を迎えることで輸入需要が減退に向かい、これが中国の対米貿易黒字の拡大につながる可能性を挙げた。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、トランプ政権が数週間以内に、中国から輸入する太陽光パネル、鋼材、アルミニウムに処罰関税徴収措置を講じるか決めなければならないとの見解を示した。また、中国が米国企業の自主技術と情報を共有することと引き換えに中国市場参入を許可することの有無に関する調査も進行中だ。