「失速」や「ハードランディング」などの懐疑的な目が向けられるなか、2017年の中国経済は「想定を上回る」年度実績を残した。国内総生産(GDP)は成長率が6.9%に達し、初めて80兆元の大台を超えた。中国が世界経済回復の大きな原動力となり、国連は先ごろ発表した「2018年世界経済情勢と展望」レポートで2017年世界経済成長の3分の1を中国が支えたとの見解を示している。
サービス業は中国経済第一の牽引力で、消費が引き続き主要なエンジンとなっている。既存の成長エネルギーも質が向上し、効果が増した。苦難を乗り越えた後の良好な時期を迎え、昨年の中国工業企業(一定規模以上)利益は前年比21%増と、増加率が2012年以降では最も高かった。新たな成長エネルギーも次第に経済安定成長の重要な原動力となり、シェアリングエコノミー、デジタルエコノミー、プラットフォームエコノミーが急速に成長し、中国経済の「新」コンセプトがますます濃くなっている。
昨年の全国住民1人当たり可処分所得の伸び率は7.3%で、GDP成長率を引き続き上回った。環境も改善され、全国338都市(地区級以上)のPM2.5濃度は前年に比べ6.5%低下し、単位GDP当たりエネルギー消費は3.7%減と、年度目標を達成した。生活の質も向上し、中国住民のエンゲル係数は29.3%に低下し、国連食糧農業機関(FAO)が定める「富裕」の水準に達した。