吉利集団はこのほど、傘下の海外企業を通じ独ダイムラーの全株式の9.69%を取得し、筆頭株主になったと発表した。世界自動車メーカーはEV(電気自動車)事業の展開を加速している。自社の研究開発費と生産を拡大するほか、メーカー間の事業提携も日増しに活発化している。世界の政策面からの支持、市場の需要拡大といった好材料もあり、レアメタルの争奪戦も展開されている。
浙江吉利控股集団の李書福会長は「ダイムラーの未来の発展の道で共に成長し、EV及びオンライン技術サービスのリーダーになるため協力できることを喜んでいる。ダイムラーの規約とガバナンス構造を完全に遵守し、企業の文化と価値観を尊重する」と述べた。今回の投資戦略については、「発想を新たにし、パートナーと手を結び、協力と共有により技術の要衝を占める必要がある」と話した。
吉利の戦略に詳しい消息筋によると、今回の株式取得はダイムラーのEVバッテリー技術を導入し、かつ湖北省武漢市でEV合弁企業を設立することを目的としている。ダイムラーは電動化で急進的な姿勢を示しており、高い技術力を持つ。ダイムラーは将来的に、EVへの投資規模を100億ドル以上とする。EV製造に投資するほか、バッテリーの生産に10億ドルを投じる。
吉利集団は以前、2019年以降にボルボが発売する新車をEV・HV化することで、従来のガソリン車からEVに移り変わる流れに順応すると表明していた。
メーカー間のEV生産をめぐる事業提携が続いている。独BMWは23日、中国でEV版MINIを生産する予定と発表した。提携先は長城汽車とみられる。