新技術:中国産業再建の触媒
今年の政府活動報告で、ビックデータ、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)の広範囲にわたる応用を進める方針が示された。実際に、新旧の発展エネルギーが移り変わっていくなかで、新技術がインフラのように実体経済と公共サービスの再建を支えている。
新技術は、スマート製造の「誕生と発展」を後押しする。全国人民代表大会(全人代)代表、浪潮集団董事長の孫丕恕氏は、記者に対し、「ビックデータ、人工知能、IoTなど新たなIT技術の利用は、インターネット接続とデータインテリジェンスによる工業モデル転換・高度化を大きく促し、スマート‘企業大脳’をつくることで、工業インターネットのスマート化を向上させ、スマート意思決定による人の補助と業務オートメーション化を実現した。これは、‘インターネット+(プラス)’、’中国製造2025’のような国家級戦略の全面実施に大きな意義を持つ」と話した。
新技術が製造業のグレートアップを支えている。全人代代表、珠海格力電器股份有限公司董事長の董明珠氏は、「インターネット時代が新たな生産状態を創出している。例えば、フロントエンドでは、ビックデータの運用が製品製造と研究開発を支えており、バックエンドでは、ビックデータが企業の販売チャネルとサービス方式の変革をもたらした」と述べている。
新業態:限りない急成長の源泉
今年の政府活動報告で、「高速鉄道ネットワーク、電子商取引、モバイル決済、シェリングエコノミーなどが世界の潮流を引っ張っている」との見解が示された。そのなかで、電子商取引、モバイル決済、シェアリングエコノミーはいずれも、新技術と既存業界が融合して生まれた新業態になる。
中国工業情報化部(工信部)の統計によると、中国の2017年モバイル決済取引規模は約150兆元に上り、世界トップだった。第三者市場研究機関のデータでは、中国のモバイル決済普及率は77%の高水準に達し、世界第1位となっている。全国政協委員、中央財経大学金融学院教授の賀強氏はこれについて、「中国のモバイル決済は、オンラインからオフラインまで広がり、基本的に国民の衣食住と交通をカバーしている。同時に、モバイル決済は、交通、医療、教育、政務などの垂直分野を開拓し始め、金融と実体経済の発展を大きく促進した」との見方を示した。