重要な収益源を失う
東芝は6月下旬に定時株主総会を開く。株主からの売却反対の拡散を抑えるため、6月末までに売却を終えたいところである。
しかし売却が完了しても、最大の収益源であるメモリ事業を失うことで、東芝の再建も多くの課題に直面する。
東芝はメモリ事業のような年間1000億円の収益をもたらす事業を見つけていない。「新生東芝」の収益の柱となるエレベーターや鉄道などの社会インフラ事業も国内市場飽和という問題に直面している。
海外では、東芝はガスタービンなどの火力発電関連事業を得意とするが、太陽エネルギーや風力などの再生可能エネルギーが流行し、新事業の成長力は乏しい。車谷氏は、「基礎経営能力を強化する必要がある」と話す。
また、経営危機の温床となる企業管理改革も課題である。経営陣を選ぶ指名委員会は原則として独立取締役だけで構成され、役員の過半数が独立取締役になり、外部の管理機能を強化する。2017年11月、東芝は業務執行取締役を23人から15人に減らし、経営体制を簡素化した。
2015年、東芝の不正会計が明らかになった。以後、内部管理体制は改善されたが、17年12月に孫会社の原価不正計上問題が判明した。経営再編を進めるには、透明性を確保する企業文化改革が必要である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月15日