日本語の「物づくり」という言葉は、「産品を製造する」という意味だけに留まらず、日本企業の職人気質などの意味が豊富に含まれている。現在、大衆消費の好みが、こうした物質的追求からサービスの過程の享受へと徐々に変わりつつあることを反映して、日本の製造業も「物づくり」から体験を重視する「事づくり」へと変わりつつある。
第二次大戦後、どの家も冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビの「三種の神器」を熱心に追い求めた時期があった。経済の高度成長期には、カラーデレビ・空調・自動車もまた大衆消費の新たな寵児となった。当時、人々は商品やサービスの持っている機能的価値を重視した。
しかし、現在ではこれらの商品はすでに十分普及し、消費者は機能的価値の単純な提供に対してはますます興味を失っている。日本の大型総合広告代理業大手、JR東日本企画会社の調査によると、調査対象の52.1%の人が、「家にはすでに各種の物が氾濫していて、これ以上増やしたくない」と考えている。