方さんによると、「中国にはたくさんの解決方法がある。宅配ロッカーに預けるとか、受け取りステーションに預けるとかいった方法があり、菜烏の音声アシスタントを使えば人工知能(AI)技術を応用して、自分の代わりに受取人に電話をかけ、配達する前に荷物をどこへ運べばいいかが確かめてくれる」という。
ナンシーさんはスマート宅配ロッカーの前で、「これはいい方法ね」と言いながら、顔認証によるロッカーの開閉を何度も試していた。「この経験を故郷にもって帰り、アフリカ宅配便産業の『ラストワンマイル』の効率やサービス体験を向上させたい」という。
中国のスマート物流はナンシーさんに深い印象を与えた。
ナンシーさんは菜烏の江蘇省無錫市にある中国最大の無人倉庫を視察した。ここは世界で最もスマート化が進んだ物流パークで、ナンシーさんはどこまでも延々と続く無人搬送車(AGV)の作業場を目にし、大きな衝撃を受けていた。
作業ラインでは、ナンシーさんは荷物に張られた電子送り状に大いに興味をかき立てられた。ケニアでは住所はまだ手書きで、情報の不正確さから、受取人がわからなかったり、違う場所に届けられてしまったりするケースもあるという。作業員の説明によると、菜烏は電子送り状を使用するようになって、仕分け効率が50%アップし、産業全体で毎年7億元(約116.6円)の経費削減になったという。