サッカー・ワールドカップの試合が白熱するなか、中国人サッカーファンの熱も高まっている。データによると、6月7日時点で、中国でのワールドカップチケット購入量は4万枚を超え、スポーツ観光消費のブームを引き起こした。中国国内では、北京冬季五輪委員会が先ごろ、冬季オリンピック経済発展戦略検討会を開き、専門家が、2022年冬季オリンピック開催地とその周辺をベースとした京張(北京と河北省張家口)冬季五輪文化スポーツ観光産業ベルトの構築を提案した。
競技イベントから産業ベルトをつくることは、中国のスポーツ観光市場が上向きの発展トレンドに入ったことを示し、その背景には大規模競技イベント、政策、消費高度化などがある。国連世界観光機関(UNWTO)は、2020年に世界スポーツ観光市場の規模が4000億米ドルを超えると予想。また、中国国家観光局と中国国家体育総局は2016年末に共同で「スポーツ観光発展に関する指導意見」を発表し、2020年までに中国スポーツ観光の総消費額が1兆元を突破するとの見通しを示している。
スポーツ界の有名人がスポーツ観光の分野に足を踏み入れることはスポーツ観光発展の縮図とみなされ、鄧亜萍氏はその代表の一人だ。2016年10月に鄧亜萍チームと中原投資公司は、河南省に鄧亜萍スポーツ産業投資基金を設立。これが有名スポーツ選手が命名した国内初のスポーツ産業基金となった。資金募集額は50億元、当初規模は5億元を予定し、市場化方式で運営を行う計画となっている。