政府備蓄大豆の競り売り状況をみると、中国国家食糧取引センターが今年、東北3省で備蓄大豆の競り売りを再開後、7月9日時点で、競り売り取引量は66万トン、取引率は40%前後となっている。1トン当たり取引価格は最高3190元、最低2920元で、平均は3025元。大豆競り売り価格が低迷し、取引率も低いのは、今年の大豆が主に2013年生産のもので、質が若干劣ることと、川下企業の大豆需要が少ないことが要因だ。
中米貿易摩擦は、中国の大豆産業の対外依存度が高過ぎる問題を浮き彫りにした。長期的にみると、大豆輸入の依存度を下げる総合的な措置を講じていく必要がある。市場誘導や金融支援、農業科学技術投入などの手段を通じ、大豆の栽培面積を拡大し、単位収穫量を上げることが迫られている。
近年、中国は農業の供給側改革を進め、栽培構造の調整において成果を上げている。大豆の栽培面積と生産量は、複数年にわたって低下した後、2015年以降は3年連続で上向きに回復している。中国国家糧油情報センターの予測によると、今年の中国の大豆作付面積は847ヘクタールに上り、生産量は1580万トンに達し、2006年以降では最多となる見通しだ。