取材に応じた経営者や専門家は、内需流出は単なる取引データではなく、中国の関連産業と監督管理制度により深い損失をもたらし、一部企業はこれにより悪循環に陥ると指摘した。
まず、国産ブランドの陣地が狭まる。主に輸入食品・日用品を取り扱う高級スーパーが近年人気が高く、多くの民間資本を集めている。これは客観的に見ると、中国製品の市場空間を狭めている。
網易、京東、順豊なども海外調達ルートを切り拓いており、輸入品の「地盤」を拡大している。
次に、国産ブランドの信頼性が過小評価されている。一部の大型製造企業は革新とアップグレードを続け、その商品は同類輸入品にも劣らないが、市場では依然として「顔も上げられない」状況になっている。
中国キッチン家電ブランドの九陽股份有限公司の関係者は「当社の鉄釜炊飯器は日本で同類製品とのブラインドテストを受けた。味にうるさい日本人の間では好評を博したが、国内での価格は日本の同類製品に遠く及ばない」と例を挙げた。
ある有名乳製品企業は米国との協力により高級豆乳を開発した。原材料、成分、生産ラインのすべてを米国から導入したが、市場では鳴かず飛ばずの状況だった。同社はやむなく成分を薄め値下げし、ミドル・ローエンドに戻った。
さらに、品質評価体制が揺るがされる。市場シェアの拡大に伴い、輸入品イコール高品質が徐々に市場の共通認識になる。一部の政府部門のもとより脆弱な品質評価体制は、輸入品を前にし指導力を失っている。
浙江省工業・情報化研究院の蘭建平院長は「広大な中国市場の消費側からのけん引がなければ、製造側の革新力は支持を得にくい。中国製品は一部の西側諸国が願うようにローエンドに滑り落ち、悪循環を形成する可能性が高い」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月16日