貿易紛争による需要への影響で、米国の冷凍倉庫には、各種の肉製品が山積みになり、米国の肉類生産・加工企業は苦境に陥っている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は23日、最新データを引用し、米国の牛肉や豚肉、鳥肉などの肉製品の在庫量は記録的な11億4千万キロに達する見通しだと伝えた。ここ数週間の米農務省のデータでは、米国産豚肉の中国での販売量はゼロとなっている。
国内企業に対する貿易戦争の影響を緩和するため、トランプ大統領は23日、ホワイトハウスで米国製商品の展示会を行った。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、代表的なF-35戦闘機だけでなく、あまり知られていないワインやほうき、蹄鉄(ていてつ)、飼料なども展示された。ホワイトハウス報道官は、ホワイトハウスでの米国製品の販促会開催は、「メイド・イン・アメリカ」の強化に向けた政権の決意を示すものだと語った。
トランプ政権が展示会を自画自賛している一方、米国を除いた「世界自由貿易圏」が形を整えつつある。通貨情報サイトによると、EUや中国、日本、さらには西側の制裁を受けるロシアを含めた国々は現在、自由貿易交渉を急ピッチで進めている。こうした取り組みは、欧州やユーラシア経済連合、中国、日本を一つの貿易圏に統一しようとするものだ。報道によると、新たな世界一体化のプロセスの加速に伴い、各国が経済と政治の世界地図を書き換えつつある中、米国は世界のリーダーとしての地位を徐々に失いつつある。
「世界経済は米国抜きで立ち行くか」。フィナンシャル・タイムズ紙は23日、トランプ大統領が追加関税の徴税を振りかざしている一方、他国は自覚的に経済のグローバル化を進めることを選んでいると指摘した。米国が世界貿易体制から抜けた場合、世界のその他の国々はこの体制を維持できるのか。記事は、その答えがどうあれ、世界各国のリーダーがそれを試そうと決意していることはますます明らかになっていると伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月24日