アナリストによると、オバマ時代に米国とEUが「大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)」の協議を行った際に、双方は輸入品97%以上の関税を撤廃すると提案していた。しかし双方が政府調達、農産物市場の進出、金融の監督管理などで大きな食い違いを残していたため、協議に重大な進展はなかった。トランプ政権とEUが協議を通じ、自動車以外の工業製品のすべての関税を撤廃できるかについては、今後の経過を見守る必要がある。
またEUが米国から液化天然ガスの輸入を拡大できるかも未知数だ。アジアの天然ガスの輸入価格は欧州を上回るため、米国は天然ガスをアジアに輸出する方が利益になる。米国の多くの油ガス企業が、韓国や日本などのアジア諸国と天然ガス長期供給契約を結んでいる。業界関係者によると、欧州諸国が提示する天然ガス輸入価格がアジア諸国を上回れば、費用はロシアから輸入する天然ガスを大きく上回ることになる。これは一部の欧州諸国にとって耐え難いことだ。
米国メディアは、米国とEUが貿易摩擦を解消することで合意したが、米国のEU諸国を対象とする鉄鋼・アルミ関税、EUの米国に対する報復関税は依然として有効だと指摘した。双方が自動車関税の紛争を解決できなければ、トランプ政権は輸入車及び部品に追加関税を導入する。EUは報復措置を講じざるを得なくなる。
EUのオサリバン駐米大使は先週、EUが米国の自動車関税への報復措置の準備を進めていると表明した。オサリバン氏は、自動車関税によりその他の国が約2940億ドルの米国製品に報復措置を講じることになると警告した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月27日