消費のオフシーズンだが、7月の中国の天然ガス市場には変動が見られた。アジアの輸入LNG価格は10ドル/100万btuから11ドル/100万btuに上昇し、国内の一部地域でガス供給が緊迫化し、工場とステーションのLNG価格は4500元/トンに高騰している。
国際エネルギー機関は上海で発表した『天然ガス市場報告2018』の中で、2019年に中国は世界最大の天然ガス輸入国になり、2023年の天然ガス輸入量は1710億立方メートルに達すると予想した。
国家エネルギー局の張玉清元副局長は、「長期的に見て、世界のLNG市場は供給が需要より多い。特に、米国の天然ガス輸出の増加およびLNG貿易の柔軟性向上に伴い、天然ガス市場は地域から世界に変わり、北米、欧州、アジア太平洋地域の価格差は縮小する」との見解を示した。
張玉清氏は、中国は天然ガスの潜在的な大規模市場、戦略的バイヤーであり、周辺の資源が豊富な国は中国への輸出拡大を強く望み、LNG資源大国と供給業者も中国の天然ガス市場に目をつけていると話す。
一方、専門家は、中国の天然ガス消費が増加し続けるかは不明だとしている。上海燃気の王者洪会長は、「ここ数年、消費増加と政策の牽引関係は強く、このような増加は続かない可能性がある。近年の天然ガス消費の増加の一部は北部の暖房需要によるもので、消費が急増し続ける可能性は低い」との見解を示す。
中国の難題は天然ガス供給の不安定
今年、中国石油天然気集団公司(CNPC)は夏前に供給の準備に取り掛かり、中アガス供給サイドと接触して自己生産能力の拡大を図り、タリムなどの主要ガス田の増産を推進するなどを事前に行った。中国海洋石油総公司も新たなタンク式コンテナで「南気北運」(南部から北部への輸送)を実現し、河北省や山東省などへの供給を保障した。