UBSの米エコノミストであるセス・カーペンター氏は8月初めのリポートで、「米国が2000億米ドル相当の中国製品に対して10%の追加関税を適用した場合、米国の経済成長率は第4四半期に1.6%まで減速し、S&P500のEPS(1株あたり利益)は6%減少する可能性がある。米国が中国に対して関税基準を引き上げれば、第4四半期の経済成長率は1%以下に低下する可能性もある」との見方を示した。
余修遠氏は、世界経済の動きに対する影響について、「第2四半期の米国経済は相対的に好調だったが、貿易戦争リスクの日本・ユーロ圏・英国・新興国に対する影響が現れ始めている」と指摘。UBSウェルスマネジメント投資部門の8月のリポートによると、「保護主義の世界市場への影響、特に生産チェーンとビジネス投資のマインドに与える影響を正確に評価するのは難しい」という。
リポートはまた、「トランプ政権の保護主義がもたらす下押し圧力への対応を分析するにあたり、中国のマクロ経済政策の調整による経済成長エネルギーを過小評価すべきではない」と強調した。また、直近の中国政府の一連の政策は、経済のモデル転換と市場に必要な流動性を維持する意志を示すものだとしている。