2013年に中国の貿易総額は米国を上回り、世界最大の貿易国となった。2014年に中国の経済規模は購買力平価ベースで米国を上回り、世界一の経済大国となった。昨年の中国の1人当たりGDPは8640米ドルに達し、上位中所得国の仲間入りをした。
この過程で、中国では7億人以上が国際貧困ラインを基準とする貧困から脱却し、過去40年の世界の貧困削減事業への寄与率は70%を上回った。この間に、中国経済崩壊論が湧き上がったりしたものの、改革開放政策が今に至り、中国は世界で唯一、金融・経済危機が発生していない国となった。
中国の改革開放はなぜこのような成果を上げることができたのか?
この問いに答えるには、先ず経済成長の本質とは何かを理解する必要がある。表面上は1人当たりの所得水準が持続的に向上し、物質的にも豊かになっているが、1人当たりの所得向上は労働生産性の向上が前提となり、それには主に2つの方式がある。