米国イリノイ州のロウナー知事によると、現在イリノイ州に拠点を置く400社以上の企業が中国で投資しており、40社以上の中国企業が同州に進出し根を下ろしている。2016年にイリノイ州の対中輸出額は50億米ドルを超えた。米国商工会議所の調べによると、イリノイ州からの輸出商品38億米ドル相当が貿易戦争の影響を受ける見込みで、その内訳は大豆13億米ドル、自動車4.5億米ドル、パン・菓子類1.6億米ドル、除草剤1.3億米ドルなど――となっている。
中国駐シカゴ総領事の洪磊氏は、「イリノイ州を含む米国中西部の州は様々な産業がすでに貿易戦争の影響を受けている」とし、「米国の大豆協会や養豚農家の団体などか相次いで米国政府の貿易保護政策に不満を表明している。今年の米国の大豆は豊作だが、米国の農家は喜べないでいる。貿易戦争が巨大なリスクをもたらしたためだ」と述べた。
米政府の統計によると、7月の米国農産物輸出価格指数は前月比で5.3%低下し、2011年10月以来最大の下げ幅を記録、大豆の輸出価格は14.1%の大幅な下落となった。シカゴ・グローバル評議会のセシールシェア・シニアフェローは、「イリノイ州の農家にとって、貿易戦争は彼らの輸出市場がカナダやオーストラリアなどに奪われることを意味し、市場を一旦失うと再び取り戻すのは非常に難しい」と指摘する。