同時に、プロジェクトは沿線の生態修復を促している。北京市や天津市など送水先はすでに、地下水採取量を8億立方メートル以上も削減している。北京市は南水北調の水を使い、都市部の川と湖沼に毎日17−26万立方メートルの水を補い、水面の面積を約550ヘクタール拡大している。都市部の川・湖沼の水質が大幅に改善された。長年に渡り採取量が基準を大幅に上回っていた密雲・懐柔・順義の水源地では、地下水の水位低下の流れが抑えられた。天津市は取水後に浜海新区、環城4区の地下水水源切り替え作業を加速し、地下水の水位が累計で0.17メートル上昇した。河南省の14都市で地下水の水位が上昇した。
南水北調中線プロジェクトの重要影響エリアである湖北省も、大きな利益を手にしている。漢江中・下流の4件の治水プロジェクトの一つである興隆水利ハブプロジェクトは稼働開始から4年に渡り、発電量が累計10億2000万kWhに達しており、コントロール範囲内の耕作地327万6000ムーの灌漑水源保障率がほぼ100%となっている。漢江航路の500トン級航路のうち76キロを1000トン級に改善した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月7日