両市場の発行者と投資家が相手方の市場へ参入し、投融資を行う際の利便性の向上や機会の拡大につながると期待される。国内居住者は中国本土市場で海外の金融商品に投資できるようになり、A株上場企業は海外市場から資金を呼び込みやすくなるほか、実体経済における国境を越えた融資やM&A(合併・買収)をサポートするだろう。ただ、市場の相互接続は資本市場の対外開放のうちの1つでしかない」
「走出去」(中国企業による海外展開や投資)にも同じく大きな進展がみられる。白物家電大手、海爾集団(ハイアール)傘下の青島海爾は24日、独フランクフルトにある中国欧州国際取引所(CEINEX、中欧所)に上場した。同社は欧州資本市場への進出成功に伴い、中欧所に人民元建て株式(D株)を上場させ、中国の欧州におけるオフショアブルーチップ市場の開設という初の偉業を成し遂げた。
中欧所の陳晗Co-CEO(共同経営責任者)は取材に対し、「青島海爾による初のD株発行は、中国の優良企業が欧州資本市場に進出する新たな幕開けとなったほか、世界の金融商品仲介業者に対し協力強化に向けた新たな場を設けることにもなった」と述べた。
国家外貨管理局は今年2月、適格海外機関投資家(QFII)の投資枠の上限を引き上げるとともに、資金の流出入規制を一段と緩和し、投資元金のロックアップ期間に関する規制も撤廃、オープン型投資信託(オープンファンド)の1日ごとの購入・解約も認めた。