格力は8月に10億元を投資して半導体を開発する全額出資子会社を設立。現在、エアコンの操作半導体を開発しているが、まだ成果は得られていないという。
格力の董明珠会長は、「500億元を惜しまず投資した。半導体の研究に成功するには、コア技術を掌握する必要がある」と話す。同社は半導体子会社を設立し、まず設計に専念し、その後に生産を開始する計画。
家電大手の康佳集団(コンカ)も5月に半導体科技事業部を設立し、買収について検討し、5~10年内の売上高100億元実現を目指す。
華為技術は10月、AIなどの高性能半導体チップを量産すると発表。同社の輪番CEOの徐直軍氏は記者会見で、華為のチップの計算能力はエヌビディアを上回り世界一になると強調した。
製造設備は依然として欧米に依存
中国は世界最大の半導体市場である。中国メディアによると、金額で計算すると世界の4割を占める。しかし、自給率はわずか1割前後とされており、2017年の半導体の輸入額は石油を上回る2600億ドルに達した。
半導体分野でよく使用されるメモリは、韓国のサムスン電子や米国のマイクロン・テクノロジなど先進国の大手企業が支配している。大規模集積回路(LSI)の開発も先進国の企業がリードし、OEMは台湾積体電路制造(TSMC)などの台湾企業が優位に立つ。中国大陸のインターネット企業と家電企業が開発するのは自身が使用する特定用途のみで、半導体産業の一部にすぎない。
中国は半導体自給率の低下に危機感を覚え、2020年までに自給率を40%に、2025年までに70%に引き上げるという目標を掲げた。
そのほか、技術者不足も深刻である。ある分析では、中国企業は欧米大手企業の経験のある人材の獲得に乗り出し、欧米との摩擦はさらに強まると見られている。
中国政府は9月、「一国主義と保護貿易主義が高まり、我々は自力更生を強いられた」と示した。これは中国が自主技術力を高め、米国に対抗するという決意の表れと見られているが、コア技術の半導体の自給率を上げることは容易ではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月24日