また、オーストラリアも近頃の不動産市場の下落の波に呑まれた。オーストラリアの住宅価格は過去55年で65倍になり、海外のバイヤーが大量に入り、2017年にはピークに達した。しかし、わずか1年でオーストラリアの住宅価格は中央銀行を驚かせるほど下落した。CoreLogicが公表した最新データによると、2018年にオーストラリアの平均住宅価格は約4.8%下落し、2008年の金融危機以来最大の下落幅となり、オーストラリアの取引額の6割と取引件数の4割を占めるシドニーとメルボルンもそれぞれ8.9%と7%下落した。2017年のピーク時と比べると、それぞれ11.1%と7.2%の下落となる。また、2018年12月の全豪住宅オークション成約率は数週間連続で50%を下回り、取引件数の低迷と市場が軟調であることを示している。
CoreLogicの研究主幹のティム・ローレス氏は、オーストラリア健全性規制庁(APRA)の信用貸付緊縮措置が今回の不動産市場低迷の主な原因の1つだと見ている。また別のアナリストは、海外のバイヤーの減少、貸出金利の引き上げ、住宅供給量の増加、市場の住宅価格の持続的下落に対する懸念なども住宅価格の下落につながったと分析。
ブルームバーグによると、オーストラリア中央銀行は、住宅価格暴落による長期的な景気低迷が消費に影響することを懸念している。アナリストは、今回の不動産市場下落の影響は金融危機より深刻になると見ている。また過去のデータを見ると、オーストラリアの住宅価格は大幅下落後に周期ピークに回復するまで数年を要し、下落傾向は一定期間続く可能性が高い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月10日