記者:5年が過ぎましたが、ファーウェイの真の姿が示されたと思いますか。世界では疑問視する声が増えたようですが。
任氏:それはシワが増えたということだ。半径が広がれば、それだけ問題が増える。未来の情報社会の発展は想像もできない。今後20−30年に渡り、人類社会は大きな革命を迎え、生産方法に天地を覆すような変化が生じる。例えば工業生産にAIが使用され、生産性が大幅に向上する。当社の生産ラインは見学者を迎えているが、あれはまだAIと呼べず一部のAIに過ぎない。しかし生産ラインにはもうそれほど多くの人がいない。5年後にはこの生産ラインは5人か6人、さらには2人か3人しか必要なくなるかもしれない。彼らは主にメンテナンスを行う。当然ながら当社の生産ラインの多くが博士課程修了者であり、一般的な操作を行う労働者ではない。特に光学チップの生産において、手を動かすことのできる博士課程修了者は特に少ない。
一国にとって、この時代に重要なのは教育の発展、それも主に基礎教育、特に農村の基礎教育だ。農村部の教員の給与を増やし、優秀な人材が教員になろうと思うようにし、優秀な児童が師範学校に入学しようと思うようにする。これでは今後20−30年後の社会に適応できず、社会に二極化が生じる可能性がある。完全にAIを使った生産は西側に戻るだろう。労働組合、福利厚生、ストライキの問題などがないからだ。完全にAIではない生産は東南アジア、ラテンアメリカ、南欧など人件費の安い国に向かうだろう。わが国はこのような二極化に直面しており、そのため基礎教育を国の最高方針とし、全民族の文化的素養を高める必要がある。街には今高層ビルが建っているが、20−30年もすれば古くなる。投資に教育すれば、20−30年後にこれらの貧しい児童は博士になり力を発揮し始め、国はさらなる繁栄へと向かう。
当社は今日多くの成功を手にしているが、成功の中で重要になっているのは外国の科学者だ。当社の給与は西側企業を上回り、そのため多くの科学者が当社で働いている。当社には少なくとも700人の数学者、800人以上の物理学者、120人以上の化学者、6000−7000人の基礎研究専門家、6万人以上の各種高級エンジニアなどがいる。このチームは前進を続けている。そのためわが国が西側と競技するためには、50−60年、さらには百年の時間をかけ教育を振興させなければならない。