米国による貿易摩擦のエスカレート、中米及び世界経済を脅かす
記者:米国の関税引き上げ、中米経済貿易摩擦のエスカレートが中米両国、ひいては世界経済にもたらす影響についてどのように見ているか。
高燕氏:中米は世界経済の発展において重要な地位を占めている。双方は世界の産業チェーン、バリューチェーンの中で異なる位置を占めている。長年の発展を経て、中米経済貿易協力は相互依存し、切り離せなくなっている。両国の産業はすでに融合した利益の共同体になっている。「一人が栄えれば皆が栄え、一人が落ちぶれれば皆も落ちぶれる」と言える。米国がファーウェイに訳もなく圧力をかけると、米国の半導体メーカーの株価が暴落したことは、異論の余地なき事実である。
貿易戦争に勝者はない。米国側の自他を損ねるさまざまなやり方は、中国企業に影響を及ぼすばかりか、その悪い結果を自ら受け入れることになる。米国の企業と消費者に影響を及ぼし、さらには世界経済を脅かす。米中ビジネス評議会、全米小売業協会(NRF)などの機関は対中関税引き上げに反対している。経済協力開発機構が発表した最新の世界経済見通しは、中米貿易紛争の激化により、2021−22年の世界のGDPが0.7%減少する(約6000億ドル)と予想した。
私は終始、協力は最良の選択であり、問題解消の唯一の正しい選択だと考えている。双方が確定した原則と方向をしっかり守り、相互尊重し理性的・実務的な態度を持ち、意思疎通と協議を強化し協力・ウィンウィンを促進すれば、中米経済貿易交流及び両国関係の健全かつ安定的な発展を促進できる。