参入条件の引き下げが現地の金融包摂の発展を促進
調査会社の易観国際は国内第三者決済業に関するレポートの中で、「国内の第三者決済市場は特に一線・二線都市で飽和傾向にあり、上限が明確で、大手は一定の技術を蓄積し、海外発展のニーズも有する。商業閉環とユーザー財務行為の最初の切り口として、モバイル決済は企業の海外発展の橋頭堡であり、大手の世界戦略の重要な一部でもある。決済サービスチェーンの角度からいえば、越境貿易の発展に伴い、輸出消費のニーズが高まり、Bサイドの業者とCサイドのユーザーに巨大な市場潜在力がある」とした。
モバイル決済の海外進出は中国人観光客の海外消費における金融包摂を促し、周辺国のモバイル決済競争力も向上させる。
世界銀行の統計によると、発展途上国の20億人が銀行口座を持っておらず、クレジットカード保有者はわずか10%で、貸付ニーズのある人のわずか21%が正規の金融機関で貸付を受けている。
螞蟻金服の調査によると、人口が密集する「一帯一路」沿線国は経済成長期にあるが、金融体系の発展はまだ遅れ、不均衡で、庶民の金融サービス利用コストは非常に高い。また、現地のモバイル決済体系の構築を促すことで、現地のEC及びインターネット経済の発展を促進し、庶民の金融サービス利用条件を大幅に引き下げることができる。
例を挙げると、支付宝はインド、タイ、フィリピンなどの国と地域で9つの「現地版支付宝」サービスを行なっている。うち、インドで提携するPaytmは通話料のチャージ、水道・電気料金支払い、送金、ネット通販、サービスなどを利用できる。Paytmのユーザー2億5000万人の半分がインドの二線以下の都市または農村の住民で、インドの金融包摂の発展を促した。
対外経貿大学グローバル化・中国現代化問題研究所の王志民所長は、「各国の金融監督管理は厳しく、外資系企業の金融業進出に非常に敏感で、一般に受け入れられるのは難しい。現地ブランドの電子マネーを構築することで、現地のデジタル化を促進し、この難題を有効的に解決できる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月2日