次に、トランプ氏の「関税チーム」は過去に生きており、現代の経済の現実から外れている。彼らはウィリアム・マッキンリー(第25代大統領)の政策を懐かしそうに語っている。しかし当時であれば、「これはどこで作られたものか」という疑問には、シンプルな答えがあった。今やほぼすべての完成品が、多くの国を跨ぐ世界産業チェーンの産物になっている。中国で組み立てられているが、韓国や日本からの多くの部品を使用している製品に関税をかければ、生産ラインは米国ではなくベトナムなどその他のアジア諸国にシフトされる。
最後に、トランプ氏の貿易戦争は支持されていない。実際に貿易戦争の世論調査の支持率は非常に低くなっている。
中国の米国からの輸入は輸出ほど多くはないかもしれないが、中国の農業市場は米国の農業州の有権者にとって極めて重要だ。トランプ氏はこれらの有権者をしっかり把握する必要がある。そのためトランプ氏の貿易戦争に簡単に勝てるという構想は、政治的な消耗戦に変化しつつある。
またトランプ氏の貿易協定への軽視と破壊は米国の信頼を大きく損ね、世界の法治を弱めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月8日